遠隔地医療について
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医師数総数は平成26年の厚生労働省の報告によると、約31万人である。(薬剤師は29万人、歯科医師は約10万人)
医師不足は人口10万人あたりの 医療施設従事医師数 で評価されており、同報告によると人口10万人あたり約230人 (京都東京徳島が約300人、埼玉茨城千葉が約170人)である。医師不足は大都市ではあまり問題とはなっておらず、遠隔地における医療が不足している。また、今後は少子化に伴い人口10万人あたりの医師数が増加してくるということがよく話題になっているが、小論文的には「遠隔地における医師不足問題は依然として解消されない、むしろ益々深刻化してゆく」という方向性に持ってゆく。
 
 
 
【問題】
遠隔地医療について、あなたの意見を述べよ。
 
類題:医師不足問題について、あなたの意見を述べよ。
遠隔地における医師不足について述べる。
 
 
 
 
 

遠隔地医療とは

都市部から距離的に離れており、インフラ条件、社会経済的に条件が整っていない山間部や離島等における医療のこと。

 

 

 

遠隔地医療の役割

1. 地域住民の総合医(プライマリーケア医)として機能する必要がある
  • 程度の軽い、風邪や外傷等から、高血圧、糖尿病、リウマチなどといった慢性疾患まで、総合的な知識が必要になる。
 
2. 高齢者対応
  • 遠隔地では高齢者が比較的多いため、必要に応じて訪問診療を行い、健康管理や介護などをコメディカルと協力して行う必要がある。 
 
3. 国や各市町村、各地域の中核病院との連携
  • 遠隔地では、患者さんのあらゆる疾患に対応することはできない為、遠方であっても、必要に応じて中核病院へ紹介することが重要。 
 
 

遠隔地医療の問題点

 
1.  後任の人材不足
  • 遠隔地医療では、任期を終えても後任となる医師が見つからないという問題がある。
  • 任期を迎えても、患者さんは引継いで診てゆく必要がある。
 
2.  子供の教育問題 
  • 遠隔地では少子高齢化のため、少人数の学校が統合されるなどしている。
  • 都心に比べて、望むような教育を子供に受けさせることができない。
 
3. 専門性の獲得には至らない
  • 医師は多くの場合、自らの専門性を求めて大学機関などで経験を積む事を望む。
  • 遠隔地医療では設備が整っておらず、総合的な医療に従事する事が多い為、専門性を追求する医師には不向き。
 
 4.  体力的な厳しさ 
  • 遠隔地医療では、元々人材が不足している。
  • 地域住民との距離が近い為、実質24時間365日 地域住民の医療に対応しなくてはならない。
 
 
 
 

解決策

1. 遠隔地医療への派遣制度 
  • 遠隔地医療の充実のためには、各医師の地域医療貢献に期待するだけではなく、組織的な仕組みを作る事で対処してゆく。
  • 大学病院や中核病院等から、2、3年、もしくは数ヶ月を目処に医師達を遠隔地へ派遣する。
  • これは、都市部への戻れる事が保証されている為、上記の問題もある程度解決できる。
  • また中堅の医師と併せて若手医師を派遣すれば、知識や経験を身近で向上させる事ができる。
  • 遠隔地医療への関心を持つことも期待される。
 
 
2.  IOT技術による遠隔医療の充実
  • 近年では、IOT技術の発達により、パソコンやスマートフォン等以外のモノをインターネットに接続する事が可能。
  • 訪問診療が必要な患者さんでも、血圧や心拍数といったバイタルデータを常時、病院へ転送し患者の状態を把握する事が可能。
  • また、映像付きのSNSなどを利用する事で、診察における時間短縮も可能となる。
 
 
 
 
 

解答例:

(遠隔地医療の定義を書く)

医師不足問題は、大都市部においてというよりは、寧ろ交通条件や、社会経済的条件に恵まれない離島や山間部等で問題となっている。これらの地域では医療の確保が難しく、少子化に伴い遠隔地における医師不足は益々深刻化してゆくと考えられる。

 

(遠隔地医療の問題点、医師不足となる原因を書く)

遠隔地医療では、任期を終えても後任となる医師が見つからないという問題がある。任期を迎えても、患者さんは引継いで診てゆく必要がある為、これでは医療が成立しなくなってしまう。また、多くの医師は自らの専門性を求めて、大学病院等で経験を積むことを望む。遠隔地医療においては、総合医としての役割が主たるものである為、求めるキャリアパスと異なる場合が多い。また、遠隔地では地域住民との距離が近く、また医師不足である為、一人の医師が24時間365日医療へ従事し、患者さん達に対応しなくてはならない。よって体力的に過酷な労働環境となってしまう場合が多い。

 

(解決策を書く)

遠隔地医療の充実のためには、各医師の地域医療への貢献に期待するだけではなく、組織的な仕組みを作る事で対処してゆく事が重要である。大学病院や中核病院等から、2、3年、もしくは数ヶ月を目処に医師達を遠隔地へ派遣する。この場合、都市部への戻れる事が保証されている為、上記の問題もある程度解決できる。また、中堅の医師と併せて、若手医師を派遣すれば、知識や経験を身近で向上させる事ができるのと同時に、遠隔地医療への関心を持つことも期待される。加えて、近年のIOT技術の発達により、パソコンやスマートフォン等以外のモノをインターネットに接続する事が可能となった。訪問診療が必要な患者さんでも、血圧や心拍数といったバイタルデータを常時、病院へ転送し患者の状態を把握する事が可能となる。また、映像付きのSNSなどを利用する事で、診察における時間短縮も可能となる。

 

 

 

 


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