
オルニチン回路(Ornithine cycle)もしくは尿素回路は、アミノ酸の代謝において非常に重要です。医学部学士編入の生命科学試験では、回路途中の化合物名を問われることもあります。僕は覚えても覚えても忘れてしまうので、自分勝手なゴロを作りました。読み切れば下の図の用語が全て答えられるようになるハズです。よければ活用してください。
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オルニチン回路のゴロ(網羅編)について
●まず五角形を思い浮かべて、「カ、シ、アルノ、アル、オル」を唱える。
●それと合わせて、 ストーリーイメージ:明石家サンマが、あるんだよね不満が...。あるんだ尿素に俺.... という深刻なイメージで「ア、カ、シ、ア」、「アル(ギ)ノ、フマ(ン)」、「アル、尿素、オル(俺)」と思い出す。
●つまり、五角形の柱である「カルバモイルリン酸、シトルリン、アルギノコハク酸、アルギニン、オルニチン」を思い出し、 「アンモニア、カルバモイルリン酸、シトルリン、アスパラギン酸、サンマが」、「アルギノコハク酸、フマル酸」、「アルギニン、尿素、オルニチン」
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オルニチン回路の触媒酵素について
上のように半ば強引に(?)明石家サンマの尿素に不満があるストーリーで、オルニチン回路の登場キャラクターを暗記したら、次は触媒酵素の覚え方です。
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- 反応1:カルバモイルリン酸シンターゼ アンモニアと炭酸イオンと2ATPからカルバモイルリン酸が作られるので理解できる。
- 反応2:オルニチンカルバモイルトランスフェラーゼ オルニチンとカルバモイルリン酸から作られるので理解できる。
- 反応3:アルギノコハク酸シンターゼ アルギノコハク酸が作られるので理解できる。解糖系でG1P(→UDPグルコース)からグリコーゲンシンターゼが作られるのと同じノリ。
- 反応4:アルギノコハク酸リアーゼ アルギノコハク酸が分解されるので理解できる。
- 反応5:アルギナーゼ アルギニンが分解されるので理解できる。 以上から、オルニチン回路の登場キャラクターを覚えていれば、全ての酵素の名前は暗記しなくても想起可能である。
オルニチン回路の補足
①フマル酸について 大学受験化学の知識で、よく「フマトラ、マレシス」と覚えましたよね?覚えていない人は覚えましょう。
- フマル酸はトランス型 → コハク酸 (白金触媒水素付加反応)
- マレイン酸はシス型 → 無水マレイン酸 (脱水反応)
②オルニチン回路における重要なアミノ基転移酵素はALTとAST
- ALTはアラニンアミノ基転移酵素で肝臓で活性が高く、アラニンと2-OGをピルビン酸とグルタミン酸に相互変換する。
- ASTはアスパラギン酸アミノ基転移酵素で肝臓、心臓、骨格筋で活性が高く、アスパラギン酸と2-OGとオキサロ酢酸とグルタミン酸に相互変換する。(相互変換!であることに注意)
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③アミノ酸は2-OGへアミノ基を押し付け、2-OGはグルタミン酸となるが、グルタミン酸はグルタミン酸デヒドロゲナーゼによって再びアミノ基を遊離させてオルニチン回路へアンモニアを提供している。
④アンモニアと炭酸と2ATPからカルバモイルリン酸が生成されるが、この反応を触媒する酵素はカルバモイルリン酸キナーゼであるが、この反応速度はN-アセチルグルタミン酸の濃度によってアロステリックに調節されている。
アロステリック効果についてはこちらを参照→コチラ
【オルニチン回路 記述対策 】
【ポイント】
- タンパク質分解の過程で生じる細胞毒性のあるアンモニアを水溶性無毒の尿素へ変換する回路。
- 肝細胞の細胞質だけでなく、ミトコンドリア内にも存在している。
【ポイント】 ●これは問題1と同じ問題であり、オルニチン回路について書けばOK
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【ポイント】
- ALTはアラニンアミノ基転移酵素で肝臓で活性が高く、アラニンと2-OGをピルビン酸とグルタミン酸に相互変換する。(相互!であることに注意)
- ASTはアスパラギン酸アミノ基転移酵素で肝臓、心臓、骨格筋で活性が高く、アスパラギン酸と2-OGとオキサロ酢酸とグルタミン酸に相互変換する。
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【ポイント】
アルギニンは塩基性アミノ酸の一つで、C3つとN1つ挟んで、端っこが尿素の素。
オルニチン回路において、アルギニンはアルギナーゼで尿素とオルニチンに変換されることを思い出す。
また、塩基性アミノ酸は『KRH』であることも同時に思い出そう。
アミノ酸の覚え方についてはこちら→コチラ
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