
血液脳関門に関する問題は時々見られます。要は、脳毛細血管内皮細胞同士の密着結合により物質の透過性が制限されているということです。解剖学的な構造もしっかり頭に入れておきましょう。
血液脳関門(BBB : Blood Brain Barrier)
- 血液と脳組織液間で物質のやりとりを行う。脳毛細血管内皮細胞同士の密着結合により物質の透過性が強く制限されている。
- 酸素、グルコースは血液脳関門を透過できるので、エネルギーにはグルコースが用いられる。
- アルコール、カフェイン、抗うつ薬、ニコチンなども通過できる。
- 血管側から取り込むピノサイトーシスは少なく、無窓であるのでトランスポーターにより物質の取り込みを行う。
- 脂肪酸は血液脳関門を透過できないが、β酸化を受けて生じたアセチルCoAから作られるケトン体は通過できるため、エネルギーとして使用できる。(注:脂肪酸も輸送体を用いて血液脳関門を通過できるという説もあるとのこと)
- 毛細血管内皮細胞同士の密着結合を構成するタンパクはクローディン5とオクルーディンである。
- この密着結合によって、物質の輸送だけでなく、ウイルスや有害物質などの外来物質の脳内への侵入を防いでいる。