
アレルギーの型は4タイプありますが、Ⅰ 型アレルギーに関しては医学部学士編入試験でも必須の知識です。特にアナフィラキシーショックの機序については度々問われることがありますので、しっかり理解しておきたいと思います。
Ⅰ型アレルギーについて
下の絵をそのまま覚えればOK
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【Ⅰ型アレルギー 記述対策 】
【問題1】
アナフィラキシーショックが起こる機序について以下の用語を全て用いて説明せよ。
(アレルゲン/抗原提示細胞/エピトープ/MHC classⅡ/ナイーブCD4陽性T細胞/IL-4/成熟B細胞/クラススイッチ/形質細胞/IgE/Fc受容体/架橋/ヒスタミン/H1受容体)
【答え】
体内に侵入したアレルゲンは抗原提示細胞(樹状細胞、マクロファージ、B細胞)に取り込まれ、エピトープとしてMHCclassⅡによってナイーブCD4陽性T細胞へ抗原提示される。するとナイーブCD4陽性T細胞はヘルパーT2細胞へ変化し、IL-4などを産生するようになる。IL-4により成熟B細胞のクラススイッチが誘導され、IgEを産生する形質細胞へ分化させる。産生されたIgEは肥満細胞、好塩基球、好酸球などの細胞膜上にあるIgE受容体であるFc受容体に結合し、アレルギーを起こすための準備状態を作り出す。ここへアレルゲンが再び侵入すると、アレルゲンがIgE-Fc受容体複合体どうしで架橋構造を作り出し、細胞内に活性化シグナルが入ることによりヒスタミンやロイコトリエンの炎症性物質を脱顆粒する。ヒスタミンはH1受容体に結合し、気管支収縮、血管拡張、血管透過性亢進により、喘息、血圧低下、浮腫を引き起こす。これはアナフィラキシーショックとも呼ばれ、侵入後わずか数分で以上の反応が起こることから即時型アレルギーとも呼ばれる。対応としてはアドレナリンの緊急投与が必要となる。(481字)
【ポイント】
- アレルゲンが体内に侵入すると、抗原提示細胞がエピトープをMHC classⅡでナイーブCD4陽性T細胞(Th0細胞ともいう)へ抗原提示する。
- ナイーブCD4陽性T細胞はヘルパーT2細胞へ変化し、IL-4を産生、成熟B細胞のクラススイッチが起こり、IgEを産生する形質細胞へ分化する。
- 産生されたIgEは肥満細胞、好塩基球の細胞膜上にあるIgE受容体に結合する。(感作という)
- そこへ再度アレルゲンが侵入すると、アレルゲンはIgE-Fc受容体複合体を架橋し、ヒスタミンなどを脱顆粒するシグナル伝達が起こる。
- ヒスタミンはH1受容体に結合することで、気管支収縮、血管拡張、血管透過性亢進により、喘息、血圧低下、浮腫を引き起こす。
【答え 100字程度】
体内に侵入したアレルゲンにより形質細胞から産生されたIgEは、肥満細胞等に存在するFc受容体に結合する。更にアレルゲンがそのIgE-Fc受容体複合体を架橋することでヒスタミン等の脱顆粒が起こる。(97字)