
ここでは、中心極限定理を使った応用問題を解いてみましょう。
同時に、標準化変数、二項分布の知識も必要になってくるので、理解が怪しい人は別記事を参考してみてください。
問題 琉球大学改題
【問題】
コインを1000回投げたときに、表の出る回数をXとする。
480 ≦ X ≦ k となる確率が 50% になるような k の値を求めよ。(琉球大学 改題)
この問題は、統計学を用いないで解こうとすると、解けない式ができてしまいます。こういう試行回数が多い時には、中心極限定理が本当に役に立つということを実感しましょう。
【解答】
そのままゴリゴリ解こうとすると...
上の【問題】をそのまま解こうとすると、どうなるかやってみます。地獄を見ます。
【解答】
これは、、無理です。
ということで、この問題を解く手順は二項分布をnが十分大きいとして、
①中心極限定理を用いて標準正規分布へ変換する。
②標準正規分布表を用い定義域に対応する負領域の確率を探す。
③正の領域の確率を計算して、その確率に対応する定義域を表から探す。
という方針をとることになります。
医学部学士編入でもよく出題される頻出の問題なので、しっかり解けるようにしておいてください。
統計学 参考書
以下に、統計学を学ぶ上で参考になった教材をいくつか挙げておきます。
独習 統計学24講: 医療データの見方・使い方
式での計算過程は少し足りないと思いますが、文章で丁寧に説明されており理解が進みました。
スバラシク実力がつくと評判の統計学キャンパス・ゼミ―大学の数学がこんなに分かる!単位なんて楽に取れる!
計算でゴリゴリ証明してくれているので、根底から理解できます。
統計学入門 (基礎統計学Ⅰ)
東京医科歯科大学の教養時代はこの教科書を用いて勉強していました。